霊長類脳科学研究グループ

慶應義塾大学医学部生理学教室・岡野研では、遺伝子改変が可能な霊長類であるマーモセットに注目し、詳細な脳地図作りや疾患モデルの解析を行っています。nature

  • 疾患モデル・マーモセットの研究

私 たちは2009年に遺伝子を改変した霊長類の報告を世界で初めてさせて頂きました(図)。これまで、動物を用いた病気のほとんどの研究は、マウスやラット などの齧歯類を用いて行われてきました。しかし、それでは人間の疾患を理解するのに十分ではありませんでした。私たちは、これまで積み重ねてきたマーモ セットの遺伝子を改変する技術を最大限に活用して、霊長類の疾患モデルを作成しています。これによって、様々な病気に苦しむ患者さんの病気の原因を明らか にしたいと考えています。

  • MRI 〔magnetic resonance imaging〕によるマーモセット脳の研究MRIによるマーモセット脳の研究

大 きな病院によく設置されているMRIは、核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう)と呼ばれる画像解析法の1つです。核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance, NMR)という現象を応用し、生きたまま体の内部構造を、非侵襲的に撮影することができます。私たちはこのMRIを利用し、生きたマーモセットなどの脳の 細かな構造の解析を脳全体で行っています。そして、束になって配線されている神経の回路網を解析したり(図)、健康な脳の地図を作ったりしています。

  • 電子顕微鏡によるマーモセット脳のミクロな神経回路網の研究

一般的な顕微電子顕微鏡によるマーモセット脳のミクロな神経回路網の研究鏡 は「光」を使って細胞や組織のミクロの構造を観察します。しかし、脳の中にある神経同士をつなぐ“シナプス”などのさらに小さな構造物は、光学顕微鏡では 見えません。そこで私たちは電子を使った電子顕微鏡という、さらに細かな構造を観察するための顕微鏡を使って、マーモセットの脳の構造解析をしています (図)。マーモセットの、健康なときの脳の回路や、病気になったときの脳の変化を捉えようとしています。原因がまだよく分かっていない神経系の病気で苦し む患者さんを救うために、ミクロの世界の脳地図作りに取り組んでいます。

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